皆さん、こんにちは!壱岐市PTA連合会顧問の柴山です。
現在、壱岐市内のほとんどの公立小中学校ではラインズの「連絡メール」が導入されており、保護者が登録すれば、学校からの連絡が保護者にメールで通知される仕組みになっています。
私の子どもが通っていた学校でも、主に下校の時間変更や荒天時の連絡、部活動の大会結果等がメールでお知らせされていました。
おかげでいわゆる「電話連絡網」はなくなり、例えば、「台風で下校が早まる!」といった時に保護者間で電話連絡することはなくなり、便利になっています。
さて、実は昨年、市P連会長をしている時に、ある保護者さんから「学校からの色んな情報がもっと手軽に共有できたり、保護者と学校の連絡がもっと楽になるサービスがあるそうなので、調べてみんなに教えて欲しい。」と相談されておりました。
リサーチとご報告が大変遅くなってしまったのですが、壱岐市内の現状も少し含めて、デジタル連絡ツールをいくつかご紹介させていただきます!
【無料で使える!!】学校、PTA、保護者をつなぐデジタル連絡ツール3選!!
私の長女が通っていた中学校でも「連絡メール」が採用されており、その時は学校側からのメールで、保護者は文字情報を受け取るだけのシステムだったのですが、『できれば学校のプリント類や保護者から学校にも連絡もできるサービスがあるといいなぁ。』と思っていたんです。
壱岐市でもGIGAスクール構想によって、小中学校では児童・生徒にクロームブック、先生方にもノートパソコンが1人1台配備されているそうですが、まだまだ学校~保護者との連絡は電話やプリントといったアナログな手段がまだ主流を占めています。
学校の色んなお知らせや学校と保護者との連絡がデジタル化することで、学校、PTA、保護者のコミュニケーションがより円滑になったり、先生方の業務効率化が進めば、子どもたちのよりよい教育環境につながっていくと感じています。
そこで、今回は無料で使える「デジタル連絡ツール」サービスを3つご紹介させていただきます!
①スクリレ
『スクリレ』は理想科学工業株式会社と一般社団法人教育活動振興協会が共同提供している「デジタル連絡ツール」です。
無料サービスの主な特徴は、
1)学校からの紙のお便りをPDFで送信可能。保護者はアプリで受信。
2)個人情報の登録が不要。
3)「スクリレポイント」がたまると学校用品等と交換可能。
※出欠連絡は有料サービス。保護者はアプリインストールが必要。
サービス内容のイメージは下記の通りです。
学校のお知らせ(テキスト情報)やプリントがPDFでアプリをインストールした保護者に通知され、アプリ内に表示される広告を保護者が閲覧することで学校側はスクリレポイントが溜まり、学校用品等と交換することができるサービスです。
私が画期的だと思ったのが、「個人情報登録不要」という点ですね。
通常、「デジタル連絡ツール」は保護者の電話番号やメールアドレスをIDとして使うケースが多いのですが、個人情報登録不要により、保護者も学校側も個人情報漏えいの心配がなくなります。
実際に壱岐市内のある学校でもラインズの「連絡メール」の代わりに導入されており、今回、導入校にお聞きした所、「保護者に回答いただく書類以外はスクリレで見てもらっています。おかげで学校だよりや保健だより等は印刷コストが0になり、経費削減につながりました。また、配布作業の労務もなくなったことで、先生方の業務改善にもつながり、子どもと向き合う時間が増えています。」とのことでした。
保護者への周知については、入学説明会や総会の際に保護者にアプリの説明とインストールをお願いしているそうです。
導入から数年が経ち、現在はほとんどの保護者がこのアプリを活用しており、保護者もこのアプリを使うことが日常化しているとのこと。
このアプリを使っている保護者に感想をお聞きした所、「以前は子どもがプリントを出し忘れることがあったり、プリントがなくなったりした時にとても困っていたが、スクリレが導入されてからいつでもスマホで見返せるので便利になった。」とのことでした。
②tetoru(テトル)
tetoru(テトル)は、Classi株式会社が提供する「デジタル連絡ツール」です。
壱岐の方言だと「てとる」は「手間がかかる」という意味ですが、このツールは逆ですのでご安心ください笑
無料サービスの主な特徴は、
1)学校から保護者への連絡配信や、保護者から学校への欠席連絡。
2)学校からPDFのお便りや画像送信が可能。
※無料サービスは公立小中学校が対象。保護者はアプリインストールが必要。
私が「これ便利!」と思ったのは、アプリを使って保護者から学校に欠席連絡ができる点です。
通常、学校の電話回線は1回線なので、他のご家庭の欠席連絡が入る朝の時間帯は電話が非常につながりにくい状態になってしまいます。
私も子ども病気等で欠席の電話を入れようと学校に電話をかけても、なかなか電話がつながらず困ることがありましたので、こうした機能はとてもありがたいですね。
学校側も欠席連絡が一元管理でき、データとしてリスト化もしやすいかと思います。
また、PDFだけでなく、画像も送れるのはうれしいポイントです。
先生方もおたよりを作るのは時間がかかって大変だと思いますし、学校行事等がテキスト情報と画像で送っていただけると、保護者もより手軽に子どもの学校での様子を見ることができ、写真を思い出として保存したり、印刷もできると思いました。
『tetoru』は、連絡帳や電話で行われていたコミュニケーションをデジタル化し、「学校や先生の業務負荷軽減」と「保護者の学校理解促進」の双方を促せる仕組みとなっています。
③マチコミ
マチコミは、ドリームエア株式会社が提供する「デジタル連絡ツール」です。
無料サービスの主な特徴は、
1)学校から保護者へのメール配信や、保護者から学校へのメール連絡。
2)学校からPDFや画像のメール送信が可能。
3)アンケート機能でイベント出席をとることができる。
※広告表示やサービス会社のアンケート配信有。
これまで紹介してきた2つのサービスにはなかった、アンケート機能が無料で使える点が特徴です。
学校行事や授業参観などの保護者回答が必要なものがアンケート機能により、ペーパーレス化することができます。
その他にも、子どもの体調管理(体温、体調報告)ができ、子どもの健康状態を保護者と学校で共有するサービスも利用することができます。
コロナ禍の終息により体温計測の機会は減りましたが、冬場の風邪等が流行するシーズンはこうした体調管理サービスを利用することで、いちはやく学校内で予防したり、流行を抑えることもできるかと思います。
サービス導入の際は、各学校にあったものを。
冒頭に記載したように、現在、壱岐市内の小中学校で「連絡メール」が主流となっていますが、もう一歩進んだ『デジタル連絡ツール』が導入されることで、学校のコスト削減や業務効率化、学校やPTA、保護者とのコミュニケーションの促進が図られると感じています。
こうした『デジタル連絡ツール』のサービス導入にあたっては、壱岐市では「各学校での判断」とお聞きしていますが、個人的には、壱岐市全域の小中学校で同じサービスを導入できるとより整合性がとれると思っています。
小学校の時はこのアプリ、中学校はまた別のアプリとなってしまうと、保護者側は困惑してしまいますし、先生方も赴任した学校でアプリが違うと使い方をまた覚える必要が出てしまいます。
もちろん今回ご紹介した『デジタル連絡ツール』以外にも色々なサービスがありますので、個人的にはできれば壱岐市教育委員会が一定の方針を示していただき、市内の小中学校のサービス一元化を図ったり、せめて町毎に小中学校が連携し、サービス選定や統一化することで上記のような問題が生じないようにすることが望ましいと考えます。
壱岐市では小中学校までは市、高校は県という形で所管が違いますが、高校まで連携して一元化が図られるとなおよいと思います。
ちなみに、欠席連絡やアンケートについては、無料で使えるGoogleフォームを活用することで代用もできます。今あるものを活かしながら、うまくミックスすることで業務改善やコミュニケーションの活性化が図られると思います。
ICT化するのは「子どもたち」のタメ。
最後になりますが、こうした『デジタル連絡ツール』を使う一番の目的は、やはり「子どもたちのため」だと思います。
①学校の業務効率化により、先生方が授業準備により力を入れることができたり、子ども達と触れ合ったり、話あったりする時間が増えること。
②保護者は学校の連絡や様子をより手軽に知ることができ、親子のコミュニケーションの質が上がったり、話し合ったりする時間が増えること。
これらが『デジタル連絡ツール』を使う一番の目的です。
『デジタル連絡ツール』の活用で、壱岐市の子ども達のよりよい健全育成につながることを期待し、報告とさせていただきます。
今回、ご相談いただきました会員様、ありがとうございました!